浮気をされると、浮気をされた側の心には大きな大きな傷跡が残ります。
心の傷跡は目には見えませんが、感覚で言えば大きなナタで背後からざっくり斬りかかられたような感じ。
でも心の傷は目には見えないから、浮気された妻はひたすら一人で苦しんで、時間が心の傷を癒してくれるのを待つしかありません。
「不倫は文化」だとか、「1回の浮気くらい許すべき」といった人の意見も、理解はできますが、個人的には全く共感はできません。
一度裏切られると、もう二度と旦那を心から信用できなくなるし、旦那に限らず相手のことを信頼するのが怖くなります。
だって、心から信じてた人に裏切られたんですから。自分の審美眼がアテにならず、信用できなくなります。この際、相手じゃなくて、自分を信用できなくなる。
それくらい大きなトラウマを残してくれた、旦那の浮気。
しかし実際、浮気をされたから即離婚できるか? と言えば、難しい人も多いでしょう。
家族のこと、生活のことを考えればそう簡単にとれる選択肢ではない。
でも、自分をざっくりと傷つけた相手である旦那といっしょに暮らすと決めた人は、たびたび葛藤に悩まされることになると思います。
その葛藤とは、ずばり、「旦那に優しくして、円満な家庭を取り戻したい」という気持ちと、「浮気をして自分を傷つけた旦那を、思いっきり苦しめたい」という気持ち。
今回はその葛藤について何か解決策とはいえないにしろ、宥める方法はないのか、いろいろと書いてみることにします。
少しでも参考になれば幸いです。
考えれば考えるほど「したもん勝ち」の浮気について
浮気され、それでも離婚せずに生活を続けることを決めた理由は、本当にいろいろあると思います。
でも続けると決めたからには、昔みたいに、浮気なんかされずに旦那を心から信頼していたころに戻りたいと、願うことでしょう。
浮気に関して、家庭でのルール作りに関して、夫婦で徹底的に話し合い、お互い譲歩することもあったかもしれません。
一旦は納得し、お互い再構築を頑張ろうと決意したかもしれません。
そうして普通の生活に戻ろうと頑張るけど……。
旦那は、自分を裏切って、ぐちゃぐちゃに傷つけた本人です。
憎くて憎くてたまらない相手です。
再構築すると決めたのは自分だけど。
なんで、自分を裏切った相手のために頑張らないといけないのか?
なんで相手は、さも自分が被害者のような顔をして、「寂しかったから浮気した」なんていうようなことを、恥ずかし気もなく言えるのか?
自分が受けた痛みのぶん、思いっきり、思いっきり旦那を苦しめてやりたい。
同じ痛みを味合わせてやりたい。
でも、再構築すると決めたからには、旦那に優しくしないといけない。
だってそうしないと、また、旦那は浮気をするかもしれない。今度は、「妻がずっと自分を許さず、怒ったままのせいで家庭内が息苦しい」なんていう理由で、浮気してくるかもしれない。
そんな「浮気をするための口実」なんて、絶対に与えたくはない。だから、優しくしないといけない。
だけど、なんで?
結果だけ見れば、旦那は浮気した上に、妻と「ルール作り」をして、「居心地のいい家庭」を手に入れて、いい思いしかしてないじゃない? 得しかしてないじゃない?
なんで、私が優しくしないといけないの?
……無限ループです。
浮気をされると、こういったことを延々と考えてしまって、呼吸することもつらくなります。
浮気旦那が憎い、苦しめたい、という無限ループから抜け出すために
では、この無限ループから抜け出すにはどうしたらいいのでしょうか。
1.距離をとる
出来ることなら、別居や実家に帰って、旦那と物理的に距離をとりましょう。
もちろん、距離をとればすぐに傷が癒えるわけではありません。
ただ、旦那といっしょに暮らして、旦那のために皿洗いや洗濯や掃除をして、そばで眠るのは、本当に苦しいことです。
加害者と被害者は、引き離されるべきです。
生活や家族のことを考えれば、難しいかもしれませんが……一ヶ月と言わず、一週間でも、一日でもいいから、とにかく距離をとるのをオススメします。
2.時間が経つのをじっと待つ
旦那が憎くて憎くて仕方ない……。
でも、距離をとれるような生活環境ではない。
そういう人は、とにかく時間が心を癒してくれるのを待つしかありません。
ここでのポイントは、とにかく「思い出し怒り」をやらないこと。
許せと言っているのではありません。何も知らない他人に許せと言われることほどいら立つ事はありませんよ。
許さなくていいし、たぶん一生許せないでしょう。
でも、考えないようにすることはできる。
最初のうちは、難しいと思います。
旦那の皿を洗うたび、服を洗濯するたび、部屋を掃除するたび、「私はこんなに一生懸命やってるのに、その間に旦那は……」と、涙が出てくるくらい悔しくなるでしょう。
だけど無理にでもいいから、別の事を考えるようにしましょう。
思い出して悔しくなるたびに、ゆっくり深く呼吸をして。息を吸って1、吐いて2、というように10まで数を数えることに集中してみてください。
ぐらぐら揺れる天秤を、水平に戻すようなイメージ。
すぐには難しいでしょう。
でもいつか、その怒りの衝動をなだめて、やり過ごすうちに、きっといつか、その頻度は減っていくはずです。
3.趣味を作る
これは「時間が傷を癒してくれる」ことの亜種ですが。
趣味を作る、というか、「旦那のことを考えなくてすむ時間をできるだけ多くとる」というのが目的です。
何か好きなことに夢中になっていれば、余計なことは考えずにすみますからね。
何か時間を忘れて夢中になれるようなものを、見つけてみてください。
4.離婚後のことを詳細に思い描く
離婚をしないと決めたけれど……。
でもね? いますぐ宝くじが当たって、3億円もらえるとしたらどうですか?
すぐ離婚しようと思うんじゃないですか?
そこでうんうんと頷いたあなたは、「旦那といっしょにいたいから」いっしょにいるわけではなくて、「生活のために仕方なく」いっしょにいるわけです。
できるなら別れたい、離れたいと思っているわけです。
なら、離婚するときのことを真剣に考えてみるのもいいと思います。
「離婚するのは難しいしなあ」とぼんやり諦めないで。生活費は? 住む場所は? 働き口は?
子どもがいるなら、シングルマザーということになるわけですが、もしそうなったとして利用できる行政支援は何があるでしょうか?
最初は生活保護に頼って、あとから仕事を見つける手だってあるかもしれません。
ネックになっているのは何か?
住む場所がないと言っても、子どもと自分だけなら小さな部屋を借りたっていいのでは? 実際に検索してみましたか? 検索するだけならタダですよ。
働く場所がないといっても、とりあえずリクルートやマイナビに登録してみたってなんにも失うものはありません。調べてみましたか?
本当に実行に移すかどうかはともかく、細かいところまで徹底的に詰めて、何をするべきかリスト化してみてください。
その手続きの煩雑さ、面倒さを、自分の目で、手で、確かめてみてください。
そのうえで、「まだ旦那をうまく手のひらで転がしてやるほうが、ずっと楽だわ」と感じられるなら、それでいいし。
「案外、頑張ればなんとかなるかもしれない」と感じるなら、また別の道が見つかるかもしれませんよ。
浮気旦那と再構築するためには怒りをコントロールすることが重要
浮気旦那と再構築すると決めたあなたは本当にすごいです。立派です。
どれだけ苦しい道なのか、きっと当事者にならないとわからないでしょう。
浮気をされて、裏切られて、憎く思わない方が難しい。
それでも、優しくしないといけない、また昔みたいに戻りたい、と思って、行動しているあなたは、ちゃんと前に進んでいます。
どうか自分が壊れないように、とにかく自分の心を守ることを優先してください。
あなたが選ぶ道が、あなたの幸せに繋がっていますように。
応援しています。